SNSで広がらない理由は“影”の制限?シャドウバンとは

  • 2025年7月16日
  • 2025年7月16日
  • SNS活用
シャドウバン

SNSで発信が届かないのはなぜ?

SNSを通じて情報を発信しているにもかかわらず、「いいねが激減した」「フォロワーに見てもらえない」といった状況に心当たりはないでしょうか。もしかすると、それは“シャドウバン”と呼ばれる、SNS上の「見えない制限」が原因かもしれません。この記事では、シャドウバンの基本的な仕組みに加えて、フェムケアや社会的テーマの発信がなぜ制限されるのかについて、実例とともに解説します。


シャドウバンとは何か?

シャドウバンとは、SNS運営側がユーザーに通知することなく、特定の投稿やアカウントの表示を制限する仕組みです。対象となった投稿は、タイムラインや検索結果、ハッシュタグ一覧などに表示されにくくなり、拡散力が大幅に低下します。本人からは通常通り投稿できるため、制限されていることに気づきにくいのが特徴です。

InstagramやX(旧Twitter)などの主要SNSでは、暴力的表現やスパム、センシティブな内容に対する自動制御がアルゴリズムで常時働いており、その中で“誤検出”が発生するケースも少なくありません。Meta社やX社も透明性レポートなどでこの仕組みを認めていますが、判断基準が不明瞭なまま運用されているのが現状です。


フェムケアの投稿が制限される理由

フェムケアとは、女性の身体や健康をサポートする製品や情報を提供する分野です。近年では「膣ケア」「月経カップ」といったテーマが注目を集め、Instagramなどで情報発信を行う事業者や専門家も増えています。

しかし実際には、これらの投稿が“センシティブコンテンツ”として自動的に制限されてしまう事例が後を絶ちません。

世界的フェムケアブランド「Essity」が実施した調査によれば、「vagina」や「periods」などの正しい医学用語を含む投稿は、男性器関連の表現に比べて66%もリーチが少なかったという結果が出ています。

これはアルゴリズムが女性器関連の言葉に対して過敏に反応していることを意味します。

さらに、日本国内のフェムケア事業者からも、「広告審査に通らない」「フォロワーに投稿が表示されない」といった声が数多く上がっています。SNSプラットフォームのガイドライン上では「大人向け表現」に分類される可能性があるものの、医学的・教育的な投稿までが制限対象になる点は大きな問題です。

シャドウバンの回避方法



社会的・政治的テーマとシャドウバンの現実

フェムケアだけでなく、戦争・人権・環境などの社会的テーマを扱った投稿もまた、シャドウバンの対象となることがあります。

2023年、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストAzmat Khan氏は、ガザ支援に関するInstagramストーリーズの再生数が急減し、閲覧数が10分の1以下に落ち込んだと報告しました。これは“シャドウバンの可能性が高い”とし、X(旧Twitter)上で注意喚起を行っています。

また、調査報道メディアThe Markupが2024年に実施した調査では、ガザに関する数百件のInstagram投稿を分析した結果、通知なしに「おすすめ表示から除外された」「再投稿が自動で削除された」といった事例が複数確認されています。

Meta社はこれを「技術的バグ」と説明しましたが、影響は特定の政治的文脈に集中しており、意図的制限と受け取られても仕方ない状況です。

こうしたアルゴリズムによる“沈黙”の圧力は、情報発信の自由や民主的な言論環境そのものに対して深刻な影響を及ぼしています。


シャドウバンを避けるためにできること

センシティブなテーマを発信する人がシャドウバンを完全に回避するのは難しいですが、影響を最小限にとどめる方法はあります。以下は実践的な対策です。(ただ絶対大丈夫というわけではないので参考としてお読みください)

情報発信の場を分散させる
 1つのSNSに依存せず、note、Threads、メールマガジン、YouTubeなど複数チャネルでの情報発信も検討しましょう。

文脈を明記する
 投稿の冒頭やキャプション内で「これは医療・教育目的の情報です」と説明し、AIの誤判定を避けます。

ハッシュタグは厳選して使う
 無関係な人気タグの乱用を避け、関連性の高いタグを5つ程度にとどめるのが安全です。

過激な表現・画像は控える
 センシティブ判定を避けるため、強い語彙や露骨なビジュアル表現は使用を控えましょう。

ライブ機能を活用する
 ライブ配信は、フィード投稿よりもアルゴリズムの制限を受けにくい傾向があります。

削除や制限を受けた場合は異議申立てを行う
 InstagramやX(旧Twitter)では、審査申請や問い合わせフォームを通じて再審査を依頼することができます。

SNS活用



声が届く社会のために

海外では「#periodpositivity」や「#wombhealth」など、フェムケアの正当性を訴えるオンラインキャンペーンが展開されるようになっています。
「なぜ女性の身体の話題だけがセンシティブ判定されるのか?」という問題提起は、SNSの設計そのものに対する問いかけです。

とりわけフェムケアは、医療・教育・人権の観点からも極めて重要なテーマです。
シャドウバンによってこうした情報が届かなくなることは、女性の健康リテラシーの低下にもつながる深刻な問題です。

SNSを通じた発信が制限されることは、単なる「表示の問題」ではありません。
声を上げるべきテーマが埋もれていくこと自体が、私たちの社会にとってのリスクでもあります。

発信する側も受け取る側も、この現象を正しく理解し、向き合っていくことが求められています。


片桐
片桐

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