『成功へ導く色選び|色彩心理と商品開発について』
ここ最近の傾向として見受けられるのが、卸業として成り立っていた製造業が時代の流れを受けてエンドユーザー向けの商品の開発に取り組まれることです。私の案件だけでも今年に入って5件あり、このパターンは例年になく多く、いつも通り全力でご支援させていただいております。
もともと卸業として長年取り組まれてこられていたので様々な課題が噴出することになるのですが、その中で「商品の色選び(カラーバリエーション)」で失敗されることがあります。
今回は「商品の色選び」について解説したいと思います。
そもそも商品開発になぜ色が重要?
商品を開発する際、「色」は重要な要素のひとつです。
その理由は、消費者の購買意欲を左右するのが「色」だからです。
商品自体の印象だけでなく、企業ブランドイメージにも影響を与えることもあります。
最近の「商品カラーバリエーション」でおもしろい例を1つあげます。
推し色そうめん
大手通信販売会社フェリシモと「そうめん」老舗・池利のコラボ商品。
「推し色そうめん」というのだそうです。
「推しを思いながら食べたい!」をキャッチフレーズに、好きなキャラクターなどの「推し活」をする人をターゲットにしているのが特徴で、「そうめん」=「白」の既成概念をくずされるのがおもしろいところ。しかも「推し活」という今の時代のトレンドを取り入れることで話題性も高まります。

参照:https://www.felissimo.co.jp/osyairo/item_os/somen_os
ご覧の通り、伝統を重んじるのではなく軽快でトレンド感にあふれるカラーバリエーションです。
この商品のコンセプトを色で表したのがこのカラーバリエーションですが、異なるコンセプトならカラーバリエーションも異なり全く違う印象をもたれることになります。
どの色が「売れる色」?
そのスタンダードな見つけ方は、市場調査を行うことです。
売れる色は生モノのようなもので時代・市場・文化によって異なるため詳細な分析が必要です。
ターゲット顧客の理解や、同じ市場で過去に成功したカラーバリエーションを分析するなどを行うのですが、気をつけなければならないのはどんなに詳細な分析を行ったところで思惑通りの結果(売れ行き)を得られないことも多々あります。
例えば「捨て色」といった、最初から売れることを期待されず「売れるであろうと期待されている色」の引き立て役として商品化されていても、予想をはずれて人気色になることがあります。
色彩心理ってどこまで信じたらいい?
この問題もあります。
確かに色彩心理というのは参考になる部分もありますが、絶対ではありません。
私は創業当時はカラーマーケティング1本で事業を行っていましたが、色彩心理に助けられたこともあれば裏切られたことも多々あります。こういったことは色彩心理だけでなくマーケティングの様々な手法が絶対でないのと同じだとは思います。
色彩心理にしがみつくように盲信するのではなく、市場調査やトレンドなど総合的に鑑みてカラーバリエーションをきめるとよいでしょう。
残念なよくあるパターンとして、「色選び」が適当に、あるいは決定権者の好みで決められることが見受けられます。
その後どうなったかといいますと、、
当然ながら売れません。
素晴らしい商品やサービスであっても、「色選び」を失敗するとターゲット顧客に見向きもされません。
どうせなら「売れる色」を選びませんか。
「見つけてもらうこと」の必要性
とはいえ、店舗の色彩を完璧にしても、お客様に知ってもらえなければ売上は上がりません。
実は、色彩の知識はSNSやホームページでの情報発信においても真価を発揮します。
デジタル時代の今、『見つけてもらう力』と『魅力を伝える力』の両方が必要です。」
 
					         
						
						 
                